茨城県は、研究学園都市としての顔と製造業県としての顔をあわせ持つ地域です。この記事では、厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2023年)」の公表値をもとに、茨城県で所定内給与額が高い業種を整理します。

茨城県 業種別 所定内給与額ランキング(2023年・男女計・年齢計・企業規模計)

順位業種所定内給与額(千円)
1位電気・ガス・熱供給・水道業466.4
2位化学工業431.5
3位学術研究,専門・技術サービス業422.0
4位非鉄金属製造業421.8
5位金融業,保険業408.1
6位専門サービス業407.6
7位はん用機械器具製造業398.4
8位電気機械器具製造業397.2
9位輸送用機械器具製造業393.0
10位建設業392.1
中位製造業(全体)約350.0
低位宿泊業,飲食サービス業約220.0

※出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査(2023年)茨城県・男女計・年齢計・企業規模計

まず数字を見る:上位にはインフラ、化学、研究・技術系が並ぶ

公表値では、最も高いのは電気・ガス・熱供給・水道業の466.4千円です。続いて化学工業、学術研究・専門・技術サービス業、非鉄金属製造業が並び、上位は400千円台前半に集中しています。

また、はん用機械器具製造業、電気機械器具製造業、輸送用機械器具製造業も上位に入っており、茨城県では製造業系の業種が幅広く高い水準にあることが分かります。

学術研究・専門技術サービス業が高い点は特徴的

学術研究・専門・技術サービス業が422.0千円で3位に入っているのは、茨城県の特徴のひとつです。つくば市を中心に研究機関や大学が集まる地域性と整合的に見える結果です。

ただし、統計表そのものが「つくばの影響」を直接示しているわけではありません。地域背景を踏まえるとそうした解釈が可能、という位置づけで読む必要があります。

製造業の厚みも見える

化学工業が431.5千円、非鉄金属製造業が421.8千円、はん用機械器具製造業が398.4千円、電気機械器具製造業が397.2千円、輸送用機械器具製造業が393.0千円と、製造業の複数分野が上位に並んでいます。

この結果から、茨城県は一部の業種だけが突出しているというより、製造業全体に比較的厚みがある構造として読むことができます。

低位には宿泊・飲食サービス業

宿泊業・飲食サービス業は約220.0千円で低位です。上位業種との差はかなり大きく、茨城県でも業種による賃金差が明確に出ています。

この傾向は茨城県に限らず見られますが、茨城県では研究・技術系や製造業系が相対的に高いぶん、差が見えやすいとも言えます。

このランキングをどう読むべきか

この表は所定内給与額の比較です。賞与、残業代、各種手当は含まれていません。また、男女計・年齢計・企業規模計なので、特定の性別や年代、企業規模だけの結果でもありません。

したがって、このページは「茨城県でどの業種が相対的に高いか」をつかむための入口として読むのが適切です。背景要因を詳しく知るには、地域別の産業構造や就業構成もあわせて見る必要があります。

背景として考えられること

茨城県の業種別賃金は、つくば研究学園都市の研究・技術職、鹿島臨海工業地帯の素材産業、日立周辺の製造・インフラ関連など、県内に複数の高付加価値拠点があることと整合的です。上位に研究・技術、化学、インフラ系が入りやすいなら、それは観光や商業よりも、研究開発と装置産業の比重が高い県であることを示していると読めます。

一方で、宿泊・飲食や生活サービスが低位にとどまりやすいのは全国的にも珍しくありません。茨城県では県南の研究都市と県央・県北・鹿行の産業構造がかなり異なるため、ランキングは県全体の平均像というより、どの高賃金クラスターが県平均を押し上げているかを見る指標として使うのが適切です。

まとめ

  • 茨城県の業種別賃金1位は電気・ガス・熱供給・水道業(466.4千円)
  • 化学工業、学術研究・専門・技術サービス業、非鉄金属製造業も高水準
  • 製造業の複数分野が上位に入り、業種の厚みが見える
  • 宿泊業・飲食サービス業は低位で、業種差は大きい

出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査(2023年)


📊 分析ノート

本記事は以下の統計データをもとに作成しています。

  • 使用統計:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(統計表ID:0003426933、e-Statで見る
  • 指標:所定内給与額(月額)
  • 集計条件:男女計・年齢計・企業規模計
  • 対象地域:茨城県
  • 対象年:2023年
  • 独自集計:公表表から主要業種を抽出し、所定内給与額順に整理
  • データ取得日:2026年6月6日
  • 注意点:本文には公表統計をもとにした整理に加えて、地域特性や背景事情を踏まえた解釈が含まれる場合があります。統計表から直接確認できる数値・順位と、背景要因の解釈は分けて読む必要があります。

※ グラフ・表の数値は上記統計データをもとに独自に集計・可視化したものです。