成田空港や東京ディズニーリゾートのイメージが強い千葉県ですが、業種別の所定内給与額を見ると、上位に来るのは必ずしも観光・運輸系ではありません。この記事では、厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2023年)」をもとに、千葉県の業種別賃金を整理します。
千葉県 業種別 所定内給与額ランキング(2023年・男女計・年齢計・企業規模計)
| 順位 | 業種 | 所定内給与額(千円) |
|---|---|---|
| 1位 | 電気・ガス・熱供給・水道業 | 510.4 |
| 2位 | 専門サービス業 | 428.7 |
| 3位 | 電子部品・デバイス製造業 | 428.5 |
| 4位 | 情報通信機械器具製造業 | 413.3 |
| 5位 | 情報サービス業 | 413.2 |
| 6位 | 学術研究,専門・技術サービス業 | 407.7 |
| 7位 | 情報通信業 | 407.3 |
| 8位 | 学校教育 | 406.8 |
| 9位 | 化学工業 | 402.4 |
| 10位 | 非鉄金属製造業 | 400.7 |
| 中位 | 運輸業,郵便業 | 約330.0 |
| 低位 | 宿泊業,飲食サービス業 | 約225.0 |
※出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査(2023年)千葉県・男女計・年齢計・企業規模計
まず数字を見る:上位は400千円台、観光・飲食は低め
公表値では、千葉県で最も高いのは電気・ガス・熱供給・水道業の510.4千円です。続いて専門サービス業、電子部品・デバイス製造業、情報通信機械器具製造業、情報サービス業が並びます。上位はおおむね月額40万円前後かそれ以上です。
一方で、運輸業・郵便業は約330.0千円、宿泊業・飲食サービス業は約225.0千円にとどまっています。千葉県のイメージとして連想されやすい空港・観光関連は、賃金順位では上位ではありません。
上位に製造業とIT系が入る
電子部品・デバイス製造業、情報通信機械器具製造業、情報サービス業などが上位に入っている点から、千葉県では製造業とIT関連業種が一定の強さを持っていることが分かります。
また、化学工業や非鉄金属製造業も上位に入っており、工業系の業種が高水準を支えている構図が見えます。これは、千葉県が観光・交通だけでなく、工業県としての側面も持つことと整合的です。
運輸業・観光業は中位〜低位
運輸業・郵便業は約330.0千円で中位、宿泊業・飲食サービス業は約225.0千円で低位です。空港や大型観光施設の存在から高水準を想像しやすいものの、公表平均ではそうなっていません。
この背景には、業種内に多様な職種と雇用形態が含まれることがあると考えられます。ただし、具体的な要因をこの統計表だけで断定することはできません。
千葉県の業種差はどう読むべきか
この表からは、千葉県で高いのがインフラ、専門職、製造業、IT系であり、観光・飲食系は相対的に低いことが確認できます。つまり、千葉県の産業イメージを「空港・観光中心」とだけ捉えると、賃金構造の実態とはずれが出ます。
もっとも、ここで見ているのは所定内給与額です。賞与や残業代は含まれず、男女計・年齢計・企業規模計の平均値でもあるため、個人の年収や生活実感をそのまま表すものではありません。
背景として考えられること
千葉県の業種別賃金を読むときは、観光県やベッドタウンというイメージだけでなく、京葉臨海部の重化学工業・素材産業、成田空港関連、幕張周辺のオフィス機能が同じ県内にあることを踏まえる必要があります。上位に来やすい業種が製造・インフラ・専門職寄りになるのは、こうした県内の産業集積を反映している可能性があります。
逆に、宿泊・飲食や生活関連サービスの賃金が伸びにくいのは、千葉県に限らず全国的な傾向でもあります。千葉県の場合は、観光や商業の印象が強くても、県全体の賃金上位を決めているのは湾岸工業地帯や空港・物流周辺の高付加価値部門である、という見方の方が数字に合いやすいです。
まとめ
- 千葉県の業種別賃金1位は電気・ガス・熱供給・水道業(510.4千円)
- 電子部品、情報通信機械、情報サービスなど製造業・IT系が上位
- 運輸業・郵便業は中位、宿泊業・飲食サービス業は低位
- 千葉県の賃金構造は、観光・交通のイメージだけでは捉えきれない
出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査(2023年)
📊 分析ノート
本記事は以下の統計データをもとに作成しています。
- 使用統計:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(統計表ID:0003426933、e-Statで見る)
- 指標:所定内給与額(月額)
- 集計条件:男女計・年齢計・企業規模計
- 対象地域:千葉県
- 対象年:2023年
- 独自集計:公表表から主要業種を抽出し、所定内給与額順に整理
- データ取得日:2026年6月6日
- 注意点:本文には公表統計をもとにした整理に加えて、地域特性や背景事情を踏まえた解釈が含まれる場合があります。統計表から直接確認できる数値・順位と、背景要因の解釈は分けて読む必要があります。
※ グラフ・表の数値は上記統計データをもとに独自に集計・可視化したものです。